オペレーション部門の橋本です。
今回より労務ネタを担当させていただきます。
身近なものを拾って紹介していきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いします。

『後納制度』という言葉、ご存知ですか?
これは、時効で納めることが出来なかった国民年金保険料を、
過去10年分まで遡って納めることが出来る制度です。

今までは、過去2年分しか遡ることが出来ませんでしたが、昨年10月より3年間の期間限定で、この制度が利用出来るようになりました。

この制度を利用することによって、年金額が増えたり、納付期間が不足して年金を受給出来なかった方が年金受給資格を得られる場合があります。

なぜ、このような制度が施行されたのかというと、将来、受け取る年金が少なかったり、年金そのものを受け取れなくなったりしてしまうのを予防するためです。

まず本来の『年金』は、20歳以上60歳未満の、この40年間の納付が義務づけられています。

年金を受給するには、保険料納付期間と保険料免除期間の合計が原則25年を満たしていることが必要となっています。※(平成27年10月より10年に短縮予定です)

それに満たない場合は、年金を受け取る資格が得られなくなってしまいます。

また、満額の老齢基礎年金を受け取るためには、40年間の加入が必要で、保険料を納めなかった期間があると、その分、受け取る年金額が少なくなります。

しかし、国民の義務とはいえ、色々な理由から納めてない方も沢山いらっしゃるのが実情です。

そういう方たちにとっては、この制度は利用する価値がありそうなのです。

例を挙げてみます。

上の図のように、これまで年金を未納付だった人が払い始めても、60歳までに25年に達していなければ受給資格を得ることが出来ません。(70歳まで任意加入可)

ならば「やっぱり年金を払うのは止めておこう」と思ったとしても不思議ではありません。

しかし、この後納制度で未納期間分を支払うことによって、受給資格が得られる場合があります。

当然、納め忘れの期間がある人にとっても、払い込みが出来る機会です。

卒業後、ずっと会社勤めをしている会社員であれば、ほとんど関係ないですが、転職をして未納期間がある人や、会社員をやめて自営業をした人で、自営業を始めたばかりの頃に国民年金保険料を払っていなかった人などは、追加で払い込みが出来ることになります。

このように、全員ではないですが、25年に満たない人にとっては、使える制度ではないでしょうか?

 

過去10年に未納期間がある方には、日本年金機構より案内(右図)が既に届いていますし、これからも順次届きます。

よく分からないようであれば、日本年金機構に尋ねられるといいですよ。

試算もしてくれますし、色々アドバイスもしてくれるようです。

該当される方は、一度、検討されてはいかがですか?

※消費税が10%になると同時に施行です。

  
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