相続税は、財産があるからかかってしまう。

「ならば減らせば良いじゃないか!」といっても、安易に財産の名義を変えれば、あとあと大変なことになります。節税どころか多額の贈与税がかってしまう結果になりかねません。そんなことにはならないように、計画的に財産と税金のバランスを見ながら総合的に判断する必要があるのです。今回は基本編として、コツコツと毎年贈与して行く以下のような方法をご紹介します。

 

財産を誰かに移すと、贈与税がかかります。その税金の計算は暦年課税で課税され、その年の1月1日~12月31日の1年間でもらった財産に課税されます。

 

◆ 贈与税の計算例(もらった財産の価額が1,000万円の場合)       贈与財産の価額      1,000万円・・・・A

基礎控除後の課税価格   A-110万円=890万円・・・B

贈与税額の計算      B×40%-125万円=231万円

1,000万円もらって231万円の税金とは、かなり高いですね。ただ、ここで大事なのはもらった財産から基礎控除額110万円を差し引けることで、これ以下なら税金はかからないということ。これを上手に使うとすると、

 

  【プラン1】(税金を払いたくないので毎年100万円贈与する場合)

① 毎年100万円を5年間続ければ 100万円×5年=500万円

② 毎年100万円を10年間続ければ 100万円×10年=1,000万円

毎年100万円でも贈与していけば、そこそこの財産は移せます。

 

【プラン2】(プラン1でもらう人が奥さんと子供2人いる場合)

① 100万円×5年×3人=1,500万円

② 100万円×10年×3人=3,000万円

ここまでは、なんら課税されることなく財産の移転ができます。

 

次に、毎年基礎控除を少し超える程度の贈与で、若干の贈与税を払ってもいいよ、という場合です。

 

【プラン3】(プラン2で毎年300万円贈与する場合)

贈与税は「300万円-110万円×10%=19万円」なので

① (300万円-19万円)×5年×3人=4,215万円(納税額285万円)

② (300万円-19万円)×10年×3人=8,430万円(納税額570万円)

このように、贈与税の税金が多額にならないように、バランスを考えながら毎年の贈与額を決めていくと、節税しながら相当の財産を減らすことができます。

ただし贈与するときには以下の点に注意しないといけません。

 

①贈与契約書を必ず作成すること

「あげました⇔もらいました」の意思を誰から見てもはっきりさせるように、

必ず書面で残さないといけません。口頭ではあとでトラブルのもと。

できれば確定日付をもらうこと。

 

②もらった人がその財産を管理すること

もらった人が自由に使えていることが大事。

預金なら通帳・印鑑・カードの管理はもらった人がすること。

 

③贈与税の申告をすること

年間110万円を超える財産をもらったら必ず申告すること。

 

ここまでが贈与の基本になります。 実際に贈与するときには、専門家に必ずご相談ください。

次回は、他の財産移転をご紹介予定です。

 

【 参考 】 贈与税の計算と税率(国税庁HPより)

監査第1部門 牟田口

  
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