5月は3月決算法人の申告提出期限があり、顧問先の社長と決算に関する打ち合わせ等で、色々な話をする事が多いのですが、その中で赤字の法人の場合、税金をどのようにするのか?という話より、”うちの会社は後いくら売上をしないと、黒字にはならないのですかね~?”という話も多いですね。それはそうです。今期経費の支出に見合わない売上しか上がらなかったから、赤字なんですから、来期同じ経費を支出するとしたら、今期と同じ売上では、また来期も赤字。

 そこで、会計事務所らしく”え~っと、そうですね・・・。”と言いながら、試算表を見ながらちゃっちゃと計算します。”来期は、最低***万円の売上が必要ですね。”その時に計算するのが「損益分岐点売上高」といわれる算式です。

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

 1年間にかかる固定費を1から変動費率を差し引いた率、つまり簡単に言えば限界利益率で割ると、1年間に必要な最低利益が0円、べたで言うと、儲けがトントンの売上が計算できるんですね。

 しかし、ここにきて最近はデフレ経済。そうは簡単に売上を増やすことができません。売上が増えないという事は、また来期も赤字で、その次も?ずーっと赤字?無理ですね。ずーっと赤字では、いつかは破綻。という事なんでしょうか?いやいや、損益分岐点売上の計算式を見ると、変動比率というのと固定費という損益分岐点売上高を計算する要素があります。

 ここで固定費を下げることが出来れば、損益分岐点売上も下げることができます。今期の売上で赤字であったのが、同じ売上でも固定費を下げることによって、黒字にすることも可能かもしれません。そこで、


 ”売上の増加が無理であるのであれば、固定費を見直してみてはいかがですか?”
と言うと、
社長“そうですね。売上の増加が見込めないので、そうします。”
と一旦は納得。
私  “それでは、まず社長の役員報酬は減額できないですか?”
社長“う~、そうですね。しかし、住宅ローンの支払とか、子供の授業料・・・。ちょっとこれ以上下げるというのは・・・”
 ”それでは、もう少し家賃下げてもらえるように、交渉してみては?”
社長“う~、そうですね。しかし、家主さんにはいつも世話になってるから、少し言いにくいですね。”

 勘定科目ごとに次々と聞いていくと、”しかし・・・”の連続。結局どの固定費も下げれません。よく聞いていると、社長の経営姿勢というか、社長の生き方?その会社にとっての固定費というのは、結局は社長の考え方の集大成なんですね。
 
  だから、社長の考え方が大きく変わると、固定費も大きく変わり、あまり変わらないと、固定費も変わらないという事。そんな事当たり前じゃ~!!と言われるかもしれませんが、これは外的経営要因ではなく内的な経営要因ということ、つまり自分の問題。という事は、自分が変われば、少しは変わることが出来るという事。なんですかね。

 ”不景気ですな~!!”という外的な要因ばかりに流されず、おもしろ、おかしく、元気よく、やっていきたいもんですね。

           やこやこ

 

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