私も税理士という職業柄経営の本を読んだりするのですが、最近顧問先になったO社のM社長の長年培ってきた経営の話も目から鱗が落ちます。その社長は二代目の社長なんですが、社長曰く、学校の勉強が大嫌いで学校に行くより仕事という事で、学校卒業後即お父様の会社で働く事にしたようです。そこで、先代社長の教えであったり実践から色々な事を習得され、経営に対する独特の理論を持たれたようです。

 その独特の理論を聞くたびに、それもそうですね、という事がいくつかあります。その一つで、根抵当権の設定を行なったうえでの銀行からの借入金は貸付では無く、実質上無議決権株式による資本注入と同じという理論です。借りる側の論理は論理ですが、バブル期によく銀行から借りてくれませんかと言われて、その融資された額で購入する不動産まで用意されてそれを購入、その後担保価値が低下し、追加担保を要求される。おまけにバブル崩壊後は売上も減少し返済原資が無くなってしまい、返済できなくなってしまうというパターンです。

 バブル崩壊後はその歪で経営本体までその資金繰りが食い込み、経営母体を悪化させてしまう。そのパターンを冷静に考えてみると、その時の借入金額なんて云うの、はよっぽどの収益力がないと返せる金額ではありません。しかしその時は銀行側からも、そんなに返済も迫られず、逆に一括返済なんかの申し出をしようものなら、銀行の支店長までも飛んでくるありさま。という事を思い起こすと、借入ではなく資本注入に近い。

 それを今になって一気に資本を引き上げるなんて云うのは、・・・、という事です。銀行側も当時の担当者ではない担当者に代わり、”借入時の状況の事など知らない!”ぐらいの勢いで迫ってきます。最近は私も調停という方法で、そういった場面によく立会い、話を色々と銀行側と接するのですが、人レベルでの問題ではなく、銀行のシステムの問題?はたまた社会構造上の問題?の歪が今大きくのしかかっており、大銀行も中小企業もなりふりかまわず、生き残りをかけて戦っているのが現状です。

 そういった事から、机上の経営学理論から離れた、借入は実質資本注入に相当するという論理も、私募債が擬似資本といわれるように、理解できる気がします。どちらにしても、早くこういった状況から脱却できるよう、色々な戦略を実行していきたいですね。

                 やこやこ

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