みなさまこんにちは、社員税理士の光島久雄です。

今年も、弊所にたくさんの申告の御依頼をいただきまして、本当にありがとうございました。

 

平成28年の所得税の精算は、この平成28年分の所得税の確定申告書の提出をもって完了するのですが、もう、平成29年も3ヶ月が過ぎようとしています。今年もしっかり知識を蓄えて、ちゃっかり節税していきましょう!これからも、引続き、よろしくお願いいたします。

 

さて、前回は確定拠出年金(個人型)のさわりの部分をお話いたしました。

簡単にいうと、国民年金や厚生年金等のような、老後の資金のための金融商品。老後の財産形成を税制面から応援してくれる制度ということでした。

では、この確定拠出年金(個人型)には、どんなメリットあるのでしょうか?
 
参考資料 
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/0000146854.pdf

 

<税制メリット1>

掛金が全額所得控除になります

確定申告や年末調整の際に、生命保険料や介護保険料等の控除証明書を会社や税務署に提出すると思います。

これは、なにをしているかというと、税金を計算するときに、税率を掛ける前の”所得”から”支払った保険料に応じた控除額”を差し引いて計算するための手続です。

ちょっと、わかりにくいので式を書いてみました。

{ 所得(*)- ○○控除 } × 税率 = 税額

* サラリーマンは源泉徴収票の給与所得控除後の金額が所得にあたります。

 自営業者の方は、(売上-必要経費)が所得にあたります。

 

今回の確定拠出年金(個人型)は、この○○控除の仲間です。

年末調整の場合は、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」の右端の一番下の隅っこにある、小規模企業共済等掛金控除のところに記入する控除になります。

ここに数字の入る方は、かなり所得税の上級者といえるでしょう!

 

この○○控除が大きくなればなるほど税額が小さくなるということが想像できると思います。

この制度を利用することで、本来納税すべき税額を”小さく”することができるのです!

民間の生命保険料等は、どれだけ支払ったとしても、各グループで最大5万円までしか”控除”出来ませんが、この確定拠出年金(個人型)は、なんと、”全額控除”出来てしまうのです。

これは、社会保険料控除と全く同じですね。

 

<税制メリット2>

運用益は非課税

確定拠出年金(個人型)は、あくまでも、積み立てた金額+運用損益が、老後に受け取れるというものです。

株式等で運用して儲かった場合は、所得税が課税されるのですが、確定拠出年金(個人型)のなかで得られる運用益は非課税となっています。

受け取り時点で、儲かった場合は非常にお得ですが、損した場合は、他の収入との相殺ができないため、自分が損した分を負担しなければなりせん。 これは、諸刃の剣ですね!

 

<税制メリット3>

受取時にも大きな控除が

60歳(加入状況によって変わります)になって、受け取る時に多額の税金がかかってしまうと意味がありません。

このあたりも、かなり厚く手当てされていて、所得税ができるだけ小さくなるように設計されています。

 

こうやって見ていくと、入口(加入時)・実施中(積立・運用時)・出口(受取時)と、それぞれの局面でできるだけメリットがあるように設計されていることがわかります。この制度にかける思いが大きいのだと感じることができるのですが、反面、現行の年金制度が心もとなく感じることも否めません。

 

ここまでは、いいことばかりお話してきました。
しかし、どんな制度もそうですが、すべての人がすべての局面ですべてのメリット享受できるわけではありません。次回は、この制度のデメリットについてお話したいと思います。

では!

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