DSCF8360_1 会計力で会社を強くする第三の手は、「業績を分けて管理評価する」ことです。最終的に自社の収支は一つに集計され、全体の売上はいくらで、いくら儲かったのかという集計が行われるのですが、多くの場合、売上にしても単一の商品又はサービスのみでなく、複合的に色々な商品、サービスを扱いながら商売を行っています。そういった場合、トータルすると利益は出ている、または損失が出ているのですが、すべての活動が利益を生み出している、または損失を出しているとは限りません。そのため、事業の中身を細分化して管理し、評価してみることが有効となってきます。

例えば製造卸売業と小売店舗を行っている業態の場合、それぞれを部門として「製造卸売部門」と「小売店舗部門」の損益計算を行ってみるという具合に、分けて損益評価を行います。そうすることにより、どの部門に無理無駄があるのか、また今後どの部門に力を入れていけばよいのかというような経営判断が、よりやりやすくなってきます。

分けて管理してみるというポイントは、

①複合的に粗利益率の異なる商品群を販売している場合
(粗利益率別の利益管理)

例えば、小売りで魚、野菜、肉と言ったものを同じ店舗で販売している場合、
そのカテゴリーごとに分けて粗利益額を出し、カテゴリーごとの儲けを管理する。

②違う業態の事業を同時に行っている場合、業態ごとの管理をする(業態部門別管理)

例えば、製造卸売業と小売業を行っている場合、それぞれの業態を分けて利益を管理してみる。

③複数の営業所、支店、店舗等がある場合、その単位で管理する(部門別管理)

例えば、複数の店舗を持つ飲食店の場合、店舗毎の損益を管理する。

 上記の分類以外にも、事業所別、部署別、取引先別、従業員別、といった分類による管理がありますが、それぞれの組合せを考えながら、どこに無理無駄があるのか?または効率の良し悪しがあるのかを探し出します。複数の飲食店店舗の場合、③と①の組合せで、各店舗毎の食事の売上と飲み物の売上それに粗利益、店舗ごとの損益を集計します。そうすることにより、店舗ごとの採算性がはかられ、また店舗ごとの特性が見えて、どのようなことを中心に顧客にアナウンスすればよいのか、ということが見えてきたりします。

つまり、”丼勘定”で色々な経営判断しているのは、非常に多くの無理無駄が見えないまま経営を行っているということです。効率よく経営に関する意思決定を行うのであれば、まずは業績管理が行える体制を早期に確立し、それにより的確な意思決定を行う。これは会社を強くする凄い体制です。もし、そういう業績管理体制がないのであれば、早急にできるように改善してみてください。業績管理体制と物々しい用語を使ってしまいましたが、IT技術の進歩?により、日常の取引を細かく記録することは、そう難しくはなくなっています。

そして、業績の分け方にルールはありません。業績を分けて管理する「会計力」こそ、今まで自社のことで見えない真実が、良く見えるようになります。くどいようですが、もし真実がみたいなら・・・、分けてみて下さい。

やこやこ

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