まるやまは高校１年生の男の子である。彼は火曜日の６時から教室にきてパソコンをいじり、８時半頃にバスに乗って帰る。家には９８があるが、教室ではマックを使ってグラフィックをつくり、それをウィンドウズ用にコンバートして持って帰る。初心者だった彼も、短期間でめきめきと腕を上げ、今では上級の「合成写真」に凝っている。主な作品に「まるやま動物園」、有本先生がいいっすよこれと絶賛する「まるやまムービー」、そして「サザンまるやま」がある。
彼を見ていると、僕は自分の高校時代を考えてしまう。高校１年生だった僕は、サッカーに夢中だった。朝五時から夕方まで、１日１０キロぐらい走り回っていた。練習のかいあって、補欠だけど１年生でレギュラーになれた。そしたら、他の部員からねたまれてしまって、いじわるされて居心地が悪くなったので、辞めてしまった。思えば、人生で初めての挫折らしい挫折だった。もっと根性があったら、と今は思うのだが、僕はそれから半年ぐらい、友達付き合いが下手になってしまった。
まるやまは学校では帰宅部だそうだ。今はまだ、あまり一生懸命に打ち込むものがないらしいが、「なにかしたい」という情熱はもっている。まるやまよ、やがて夢中になって、青春の時間を費やすものが見つかるだろう。きみはまっすぐに進むがいい。そしてもし挫けたら、僕の胸で泣くがいい。別に変な意味じゃないよ。うひょひょ。

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