1 どんな事業でも、「始める」という事はたいへんです。始める時の気が遠くなるような準備であったり、色々な手続き、やり始めてから分かる事象に対しての対応であったり。始める事業規模が大きければ大きいほど、関わる人、物、お金は膨大で、規模が小さくても、それに伴う作業は多くあります。しかし、逆に「終了させる」という事、しかも業績悪化による撤退を決断するという事は、始めるより難しいかもしれません。

 事業を始めてから最初の一年目は手探り状態で、儲けは出ず赤字経営。二年目は一年目の経験を生かして少し改善し事業がトントン。三年目でやっと黒字化し・・・、というシナリオ通りの経営パターンであればいいのですが、一年目の手探り状態での赤字の資金をカバーするため、借入で資金調達で一息。二年目も上手く行かずその借入資金を食い尽くしていきます。三年目にはまたもや赤字で、追加の資金調達。もうこの段階でこの事業から抜け出せなくなっていきます。

 事業とよく似たパターンで、株式投資であったり、将又ギャンブルであったりも同じ心理が働くのでしょうか、同じパターンbaccaratに陥っている状況をよく見かけます。ギャンブルの格言で「いくら負けても、最後までそのゲームに張っていける人は絶対に勝つ」というのがあります。1万円負けたら次は2万円を賭ける。2万円負けたら次は4万円を賭ける・・、という事を勝つまでやり続けると、いつかは勝負に勝つチャンスが巡って来て、掛け金はそっくり取り返し、逆に儲けが出るという賭け方です。しかし、これはお家でお金を印刷して青天井で賭け金がある又は、お家の庭に油田でもない限り、いつか掛金が底をつきます。

 ある会社の業績を見ながら、その社長と話を進めていくのですが、ご多分に洩れずこの会社は最初から業績不振です。手を変え品を変え資金調達に翻弄されながら、メインの事業の赤字を次の新規事業で何とかカバーしようという戦略を実行していきます。メインの事業は元々赤字なのですが、それは放置状態。なので、人間でいえば、ダラダラと出血している状態です。しかも血が不足するので、輸血しながら出血している状態です。その状態を打破するために、また大きな資金調達をし新規の事業を始めます。この新規事業を始めるときは、また最初の事業を始めた時に味わう、夢と希望でいっぱいです。まるでギャンブルで1万円負けたから、次は2万円賭けるという状態です。

vaiopro11 何度となく

私 :”出血を先に止めるべきでしょう!”と赤字事業からの撤退を促すのですが、
社長:”赤字を黒字に変える方法がある!”と、

 継続できるという在り来りの戦略を列挙するだけで、とにかく継続させようとします。その会社は、二つ目の事業で留まらず、四つ目の事業まで銀行借入を続け、五つ目の事業は何の話もなく(多分言いにくかったのでしょう)、こっそり進めていて、始まってから相談に来るという始末になっていました。その結果はご想像の通りで、銀行返済に関しては条件変更を行い、税金、社会保険料は勿論払えず、多額の滞納となり、ついに仕入業者への支払も遅れ始め、ついに給与の支払いにまで影響が出始め、それでやっと続けていけないという状況を認識されたと・・・?。

 そうなると、もう五事業全てが出血状態。まるでエボラ出血熱。どの事業を残して、どの事業を閉鎖するのか?これがまた決められません。

社長:”初心に返って、・・・。なので、ここはやり続ける!”
私 :”えっ??”

 やはり、根本的な思考は「全て残したい?!」気持ちは分かるような気がします。が、やはり経営者としては失格かもしれません。どんな事でも「始める」という意思決定以上に、「止める」という意思決定は、とても大きな勇気のいる決断ですが、絶対に重要です。必ず、「引き際」というシナリオは経営の要素に付け加えておいてくださいよ。

                       やこやこ

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