みなさまこんにちは、社員税理士の光島です。
 
今年はマイナンバー制度の導入年ということで、年末調整や法定調書等

作成事務において、いろいろとお手間なこともありますが、弊社ができ

る限り「リスクの少ない方法」で皆様をサポートさせていただきますの

でご安心ください。

 

さて、今年もあと1か月半です。

来年の確定申告で使う、医療費控除のための領収書整理はいかがですか?

40代も半ばになると、いろいろと「がた」が来るようで、今年も結

構お医者様のお世話になっていたようです。定期的に郵送されてくる

「医療費のお知らせ」を見ていると、3割負担以外の部分が意外に大

きな金額になっていてびっくりです。

 

日本の医療費は、高齢化社会にともなって増加する一方です。

この医療費の抑制に効果があると言われているのが「セルフメディケーション」であり、これの促進のた

め税制面から支援しようとするのが「セルフメディケーション税制」です。
 
平成28年11月2日、厚生労働省のWebページに、セルフメディケーション税制Q&Aが掲載されました

ので、こちらを見ながら、内容の確認をしましょう。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000141868.pdf

 

<そもそもセルフメディケーションとは>
 

WHOにおいて「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」と定義

されています。軽度な身体の不調は、正しい知識にもとづいて、お医者様にかからずとも市販薬

(いわゆるスイッチOTC医薬品)で対応してくださいね!ということです。

 

市販薬を利用することで医療費を抑制し、将来に対する国民の負担増に対応していこうとするもの

です。「医療費」として負担すると、自身の支払額は3割以下になりますが、残りの部分が国民の

負担としてはね返る形になってしまいます。市販薬の購入では、この国民の負担としてはね返る部

分がなくなります。

 

<従来の医療費控除と違うの? ~計算式とその特徴>
 

従来の医療費控除も存続しますが、両方を同時に利用することはできません。

 

[従来の医療費控除の計算式]

 → 10万円以上でないと控除が受けられないが、最高200万円まで控除可能

  実際に支払った医療費の合計額-
     {*(1)か(2)のどちらか少ない方の金額(最高200万円)}

(医療費の合計額は、保険金等により補填される部分の金額を除きます)

*(1)10万円
*(2)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額

 

[セルフメディケーション税制の計算式]

 → 1万2千円以上で控除が受けられるが、最高8万8千円までしか控除が受けられない

 特定一般用医薬品等購入費の合計額-1万2千円(8万8千円を限度)

(購入費の合計額は、保険金等により補填される部分の金額を除きます)


 

<注意点>

〇 従来の医療費控除・セルフメディケーション税制のどちらか有利な方を選択できます。

〇 確定申告が必要(従来の医療費控除と同じ 年末調整ではできません)です。

〇 対象となる医薬品しか適用できません
  (パッケージにこの税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されています)

〇 健康の維持増進および疾病の予防への取組として一定の取組を行うことが条件。
  (特定健康検査・予防接種・健康診査・がん検診等を受けていることが前提)

〇 適用期間が定められています。
  平成29年1月1日~平成33年12月31日までの間

〇 レシート等には「①商品名 ②金額 ③当該商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨
  ④販売店名 ⑤購入日の明記が必須となる」ので、①~⑤の記載があるか確認してください。

〇 対象となる医薬品を販売した業者が、1年分の明細(上記①~⑤)を記載したものを発行しても、
  適用可能です。

 

セルフメディケーション税制の、控除額(1万2千円)と所得控除限度額(8万

8千円)を足すと、ちょうど10万円になることから、従来の医療費控除で対象

とならなかった治療等が10万円以下の方々もできるだけ対象とできるような制

度であると想定できます。

 

平成29年からは、10万円未満とあきらめずに、しっかり領収書を保管しておいてくださいね。

でも、その前に健康な人生を送れるように、定期的な健康診断も忘れずに!

では、また。

*文中の表は、厚生労働省のHPからお借りしました。

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