監査業務二部門の梅本です。

今回からは『減価償却』について解説していきます。

誰もが耳にしたことがある用語でありながら、ほとんどの方がイマイチ理解出来ていないと思います。会計用語である『減価償却」を説明するにあたって、税金の話からは一旦離れます。

 

減価償却の最も重要な目的は「適正な期間損益計算」です。

決算書上に、会社の収益力が正しく表示されているかどうかが大切なのです。

 

具体的な例で考えてみましょう

「6,000万円の機械(3年使用)を購入し、毎年売上が5,000万円計上される会社」

 

減価償却をせず、購入年に一括で経費にすると・・・

 

購入年の利益

「5,000万-6,000万=△1,000万」

翌年、翌々年の利益

「5,000万-0=5,000万」

 

どうでしょうか、3年間で9,000万円の利益ですが、各期で利益がバラバラです。

これでは、決算書を見ても会社の収益力が分かりません(特に翌年以降)

 

では、減価償却を使用してみましょう

 

3年使用する機械は、3年間で徐々に価値が減少し、その分経費化していきます。
「6,000万円÷3」で、毎年2,000万円ずつが経費になりますね。

購入年の利益

「5,000万-2,000万=3,000万」

翌年、翌々年の利益

「5,000万-2,000万=3,000万」

 

同じ3年間で9000万円の利益ですが、減価償却を用いたほうが、利益が均等になります。

 

上記は少し極端な例でしたが、会社が利益を稼ぎ出す力をみるには、減価償却を使用した方がより良いと考えられます。

 

機械を購入した年に極端な赤字になるよりも、機械を使用する期間中は売上が計上されるわけですから、機械の代金も、使用期間で経費化するのが妥当でしょう。

何となくご理解いただけたでしょうか?

 

実務では、減価償却は所定の方法に基づき、所定の年数で経費化していきます。

 

例えば、れんが造の旅館建物は36年、ヘリコプターは5年など、細かい資産についても年数の規定が存在します。償却の方法も、定額法・定率法など複数の方法が存在します。

会社そのルールに則って、毎期「減価償却費」として計上していく必要があります。

 

では、ルールに則らなかった場合・減価償却費を計上しなかった場合はどうなるのでしょうか
次回以降のコラムではその辺りを解説していきます。

  
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