監査業務二部門の金森です。

最近「内部留保」という言葉をよく耳にします。
政策の一つとして企業の内部留保に対して課税するという案が出されニュースでも大きく取り上げられました。こうした課税は、「二重課税になる」との批判が高まっています。

 

企業は、「出資金」「借入金」「利益」で調達した資金で、設備投資をしたり雇用を増やしたりして事業を拡大します。そうした事業活動を行った後税金を支払い、最後に残った利益はどうなるんでしょうか?
 
まずは、株主に対して配当を払う。
もともと株主は、儲けることを前提に出資しているのであたりまえですよね。
そのほかに、新事業に投資するための不動産や設備を購入、商品の購入、そのための資金として準備しておく、などが考えられます。
 
内部留保とは、このように企業が儲けた利益の中から様々なものを支払った残りのことです。
実際に現金で持っていることもあれば、購入したものに変わっていることもあります。
イメージ的には、現金がいっぱい貯め込まれているように思いがちですね。
 

 
そもそも現金で持っているだけだと何も生み出さない。
それならば、配当するか新規投資するべきという考え方がある一方で、リスクに備えて少しでも現預金を確保したいと思う企業があるのが現実です。
 
大切なのは、そうした企業が積極的に投資したくなるような仕組みを作り出すことが、まずは必要なのではないでしょうか?

*文中の「利益剰余金の推移」は、財務省「年次別法人企業統計調査」からお借りしました。

  
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