みなさま、こんにちは、社員税理士の光島です。

今年は、まだ梅雨に入っていないようです。
近畿地方は、例年、6月7日ごろが梅雨入りだそうなので、10日以上は遅いんですね。雨が降らなければ、夏以降の生活や農産物に対する影響も多く、また、生産活動においても水資源は重要です。すこし、心配です。
 
さて、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(以下「納期の特例申請書」といいます。)を提出している事業者の方は、1月から6月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を7月10日までに納付しなければなりません。
 
源泉所得税の「納特」の税金を7/10までに!というやつです。
 
源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
 
しかし、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を、半年分まとめて納めることができる特例があります。
 
これを納期の特例といいます。(特別徴収の市民税についても似たようなの制度があります。納付期限の区切りが異なるので注意が必要です)
 
この特例を受けるには、「給与の支給人員が常時10人未満」がポイントです。
 

<ポイント1> 10人未満

お給料を支払う人数が、いつも10人以上である場合には、「納期の特例」が受けられなくなるので注意が必要です。

また、労働者を日々雇い入れることを常態とする事業者の場合には、たとえ常雇人の人数が10人未満であっても、日々雇い入れる者を含めて常時10人未満でなければ、この特例を適用することはできなくなります。

 

<ポイント2> 常時(だいたい、いつもどうなの?)

お給料を支払う人数については、その時々の状況によって、人数が変わります。
同じ月に8人退職して8人入社したような場合には、この出入りだけで支払い人数は16人になってしまい、一瞬10人以上になってしまいます。

ただ、この場合は、たまたま入退社が重なったため10人以上となったが、以降、この入社した社員の数が動かなければ常時10人未満であるものとされ、特例の適用は可能になると思われます。

労働者を日々雇い入れることを常態としない者が、繁忙期に臨時に使用した人数を含めると給与の支払を受ける者が10人以上となるような場合には、給与の支払を受ける者は常時10人未満であるものとされ、納期の特例を適用することができます。

 
もし、「給与の支給人員が常時10人未満」でなくなっていたのに、「納期の特例」が適用されていると勘違いして、1月から6月の間に徴収した源泉所得税を7月10日に支払った場合はどうなるのでしょうか?
 

(例)「給与の支給人員が常時10人未満」でなくなっていた日が、4月25日のお給料の支給日

3月分までは「納期の特例」の適用範囲に内に入るため「納期の特例」用の納付書で納付しますが、本来の納付期限は5/10となります。4月分以降は「毎月納付」になるので、支給日の翌月10日が納付期限になります。

 

整理すると、

ア.1月から3月分 5/10納付期限(納付書は納特用で)
イ.4月分 5/10納付期限(納付書は毎月納付用で)
ウ.5月分 6/10納付期限(納付書は毎月納付用で)
エ.6月分 7/10納付期限(納付書は毎月納付用で)

となり、1月から6月の間に徴収した源泉所得税を従来どおり7月10日に支払うと、「ア. 1月から3月分 5/10納付期限」、「イ. 4月分 5/10納付期限」、「ウ. 5月分 6/10納付期限」については、期限後の納付になってしまいます。

 
上記のア~ウを税務署の指摘(税務調査の連絡や決定通知による)により、納付させられた場合は、税額の10%の不納付加算税と延滞税がかかります。
ただし、指摘前の自主納付をした場合には、10%の不納付加算税が5%に減免されます
どちらにしても、不納付加算税や延滞税は損金算入されない(経費にはなりません)ので、十分注意が必要です。
 
では、また!

  
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