監査業務担当の牟田口です。

<争続>
意味:俗に、遺産相続などをめぐって親族が争うこと。相続争い。

争続という言葉、実は辞書に載っているのですね。俗語みたいなものかと勝手に思っていましたが、きちんとした日本語として認められているようです。
 
さて今回は「相続」ではなく「争続」。ほとんど揉めない相続を経験した人や、今から相続になるかもという方は、「そんなに揉めることがあるの?」と思うかもしれません。どれぐらいなのか、統計から見てみましょう。
 
日本での死亡数は平成29年で1,344,000人。そして相続がもめて裁判所の調停に持ち込まれた遺産分割事件数が12,166件。単純に割合は0.9%ほど。ということは100件相続があれば、そのうち1件ないぐらいが裁判所の調停に持ち込まれていることになります。ほとんど揉めないのでは?ということでしょうか。
 
いえいえ、そんなことはありません。亡くなった方すべてが財産を持っているとは限りません。例えば相続税の申告書が税務署に提出された件数は、平成28年度で136,891件。これを「基礎控除以上の相続財産があったと思われる件数」と考えて分母にしてみましょう。8.88%が調停になったということになります。かなり大雑把な割合かもしれませんが、実務をしていてもそんなに大きく間違っているとは思えません。かなりの割合でもめているととらえられます。
 
もし調停になると、どれぐらいの期間がかかるのか?これも統計が出ています。
12,166件のうち、半年の期間で終わっているのが4,551件で37.40%。半年ぐらいで終わるのは4割もないということになります。更に半年を越え1年以内は3,978件、残りの3,637件は調停が成立するまで1年を超えていることになります。そのうち297件2.44%が、3年を超える期間かかっています。だいたい半年以上は覚悟しておいた方がいいのかもしれません。さらに3年にもなると、多い時にはその実施回数が21回以上というのもあり、多くの時間と労力を調停にとられることになります。
 
この数値も、「裁判所で調停」という形で統計にあらわれているものだけ。これ以外に調停にならず揉めている件数もあるはずです。弁護士や税理士に相談してまとまったものも含めれば、一体どれぐらいになるのでしょう。
 
私の感覚としては1割前後。いやもう少しあるかもしれません。相続が争続になった瞬間に、その大変さは想像をはるかに超えます。もし調停が成立しなかったら、さらに審判手続きへ。
 
事前の対策をしておけば、回避できるかもしれません。
「事前の対策」。これが最善の方法だと思います。
 
《 参 考 》

【厚生労働省】
人口動態総覧の年次推移
【裁判所】
平成29年 遺産分割事件数-終局区分別-
平成29年 遺産分割時件数-実施期日回数別審理期間別-
【国税庁】
平成28年分の相続税の申告状況について

* 文中のグラフは、裁判所の「平成29年 遺産分割時件数-実施期日回数別審理期間別-」を元に作成しました。

  
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