「高プロ」って何?

オペレーション部門の橋本です。
「高度プロフェッショナル制度」を略して「高プロ」といいます。
前回前々回と働き方改革の有給休暇及び時間外労働について話しましたが、今回もその一つの「高プロ」です。有給休暇や時間外労働ほど目や耳にすることはないかと思いますが、実はとくに注目を集めた制度なのです。

 

どんな制度か簡単にいいますと、賃金を「働いた時間」ではなく「成果」で決める制度です。
この制度が生まれた背景には、少子高齢化が進み労働人口が減少し、このままでは労働生産性が保てないという現状があります。柔軟な働き方を促して生産性を向上させようというものです。
この制度は全ての労働者に適用されるわけではなく、特定高度専門業務と定められています。

 

<対象となる業務>

・金融商品の開発業務
・ディーリング業務(証券会社のディーラー)
・市場や株式などのアナリスト業務
・コンサルタント業務
・医薬品などの研究開発業務

<対象者の年収>

1,075万円以上

<労働時間>

労働基準法の規定は適用されない
(これに関しては、長時間労働を是正する動きに反するという意見もあります。)

<時間外・休日・深夜労働に対しての賃金>

支払われない

<一定の条件>

・1年ごとに本人の同意が必要
・労使委員会を設置
・労使委員会の5分の4以上の多数決議
・行政官庁への届出
・職務の内容が明確になっていること
・在社時間と社外労働時間を把握する措置をとっていること
・1年間で104日以上かつ4週で4日以上の休日を付与すること
 

以下はこのいずれかを選択するものです。

・勤務間インターバルの確保及び深夜労働の回数制限
・1年に1回以上、2週間連続の休暇を与えること(有給以外)
・健康診断の実施

などいくつかの条件があります。

<メリット>

・出勤時間や休暇を自由に決められる
・育児や介護などと仕事が両立できる
・成果による賃金なので、労働時間や年功序列による査定から生まれる不公平感がなくなる
・賃金が減らないことが前提なので、現在の賃金より下がる心配がない

<デメリット>

短時間で成果が出ない業種や、時間をかけて取り組んだにもかかわらず成果が上げられなかった場合、十分な賃金が与えられない可能性がある

賃金が保障されモチベーションの高い労働者が、時間を自由に使い能力を存分に発揮し、企業側はそれによって生産性が向上し収益が上がるという可能性がある「高度プロフェッショナル制度」
今後どれだけ利用者が増えるのでしょうか。

 

この制度には色々な省令がありますが、国会の審議をせずとも変更が可能です。
企業に周知を図っていくこととしているようですが、内容が変わっていく可能性があるのかどうか、これまた目が離せないようです。

  
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