みなさまこんにちは、税理士の光島です。

先日 紅葉を見に行こうと思い、おでかけしました。
これまであまり意識したことがなかったのですが、11月って”冬”だと思っていたのですが、前半は”結構”秋なんですね。11月の初旬だと、神戸周辺では紅葉はまだまだという感じでした。

さて、今回のテーマである、<社外の人が嫌いな勘定科目>ですが、いったいどんな科目なのでしょうか? 銀行さんと日々、交渉している経理担当者の方や社長さんは、ピンとくるかもしれませんね。
 
答えは、「短期貸付金」や「未収入金」などです。
 
これらの科目がなぜ嫌われているかというと、中身がよくわからないものが多いからです。
当然、契約書等で取引の経緯をきっちりと説明できる内容であれば問題はあまりないのですが、なんだかわからないから、”とりあえず”短期貸付金や短期借入金へ振替えておこう、というのがバツなんです。
 
決算時は、とにかく時間との戦いです。
 
毎月の監査で不明・保留としたものも、決算時には何らかの形で決着をつけなければなりませんが、毎月の監査の時にわからないものが決算時に判明することなど ごくまれで、「とりあえず、今期は短期貸付金や短期借入金にしておきましょう」としてしまうこともあるかもしれません。
 
これが積もり積もって、数年後、金融機関や税務署から「短期貸付金の内訳を教えてください」などといわれるとあたふたすることになってしまいます。
 
たとえば、

社長「経理の〇〇さん、仮払10万円お願いします。」
経理「社長、10万円です。」

(数日後・・・・・)

社長「経理の〇〇さん、急ぎで、また10万円仮払お願いします。」
経理「前回分の精算書が出ていないのにまたですか?」
社長「精算書は、あとでメールで送ります。とりあえず10万円お願いします。」
経理「必ず、精算書お願いしますね。10万円です」

(後日、決算整理時にて)

会計事務所職員「社長さんに20万円の仮払が出ているのですが、精算や返却がみあたりません。どうなりましたか?前回の月次監査時に、調べておきますということだったのですが・・・。」

経理「社長から領収書が提出されてきたのですが、全部で18万円分しかなく2万円の差額が出るので、どうしたものかと保留していたのです。」

 
この場合、結局、差額の2万円が”とりあえず”「社長貸付」(「短期貸付金」や「役員短期貸付金」)になっていくと想像できます。
 
一度こうなってしまうと、その次の期以降も同じようなことが繰り返され、何年か後には数百万円の貸付金が社長に対して出来てしまうこともあります。
 
決算書にこのような科目が存在し、長年にわたってその金額が増え続けると、金融機関は、社長に永遠に貸し付けたまま返ってこない資金として、会社の純資産の評価からマイナスすることもあります。
 
税務署は、永遠に社長に貸し付けたまま返ってこない資金として、給与の補填として「社長に対する役員賞与」(事前に届出が出ていないので、損金と認められないことに)とされることもあります。
 
”とりあえず”で処理したことが解決されずに、のちに大きな問題になったり、信用失墜につながったりします。いいことは、何もありません。
 
このような科目は、社外の人だけでなく、社内の人も嫌いになっていただいて、貸借対照表から出来るだけ排除するようにしてください。税務調査で目を付けられる科目です!慎重に処理しましょう。

では!

  
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