監査二部門の梅本です。
前回のコラムで紹介しました、「国庫補助金等の圧縮記帳」は補助金収入に対する法人税を繰り延べる制度です。もう一度おさらいしますと、「本来は課税の対象となる利益を将来に繰り延べる」これが圧縮記帳です。
 

ではその他にも存在する圧縮記帳制度を今回も紹介していきたいと思います。今回紹介しますのが、「保険金等で取得した固定資産の圧縮記帳」です。
 

たとえば、会社所有の資産が事故・火事などにより大きな損害を受けた場合を考えてみて下さい。保険に加入していればこのような場合は保険金が下ります。
 

しかし会社が受け取った保険金は、全額が利益となり法人税の課税対象になります。会社としては受け取った保険金で代替資産を購入したいところです。
 

では具体的に見てみましょう。

損壊した資産の帳簿価額 300万
保険金収入 2000万

 
まず、この時点で会社としては保険差益1700万円が計上されます。損壊した資産が古ければ帳簿価額は低くなっている可能性が高いです。
 
その後、代替資産を1800万円で購入した場合で具体的に計算してみましょう。

代替資産は10年で減価償却により費用化すると仮定すると
⑴ 収益 = 2000万円
⑵ 損失 = 300万
⑶ 費用 = 1800万円×0.1=180万円
⑷ 利益 = ⑴-⑵-⑶=1520万円

 

つまり、保険金の大部分を代替資産の購入に充ててしまうと、1520万円の利益が発生してしまい、その結果、利益に対して法人税を納める必要が出てきます。納税資金を考えると、保険金を代替資産の購入に充てる事が出来ない、というジレンマが出てしまいます。
 

前回同様、それを解消するための制度が「圧縮記帳」です。
 

保険差益相当額を圧縮損という経費で相殺します。
(1) 収益 = 2000万円
(2) 損失 = 300万円
(3) 費用 = 0円 減価償却
(4) 費用 = 圧縮損 1700万円
(5) 利益 = (1) – (2) – (3) – (4) = 0 円

 
となり、一連の取引に関しては利益が出ない為、法人税を納める必要がなくなります。もちろん、メリットだけではありません。ここからは前回と全く同じ内容です。
 

本来であれば10年かけて費用化する代替資産を、ほぼ1年で費用化しているわけです。その分圧縮記帳をしなかった場合に比べ、残りの9年間は費用が減ることになります。つまりトータルでは変わりません。あくまでも費用の先取り、その結果の課税の繰延べです。
 

圧縮記帳制度を適用するかしないかで、利益も税額も大きく変わってしまいます。課税を繰り延べることで、代替資産の購入に対しての税負担を一時的に少なくすることが出来ます。万が一の為の保険金も、いざ受け取ると検討すべき事がたくさんあります。
 

そんな時はすぐにでもFCパートナーズにご相談ください。

この記事は <税理士法人FCパートナーズ> が作成しました。

  
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