監査業務担当の清岡です。
原価といっても立場や質問する人の立場により、意味合いがかわります。社長の原価と工場長の原価、店舗や経理の考えている原価は少しずつ違っているかもしれません。
 
それぞれの立場の人が何を聞いているのかを理解しないと、ちぐはぐな回答(会話)となってしまいます。どの原価の話し(質問)をしているのかを明確にするためにも、原価の種類の理解が必要です。
 
それでは、それぞれの原価をみてみましょう。
大きく分けて原価には仕入原価製造原価売上原価があります。
 
仕入原価とは、商品は売れても売れなくても、その期間に仕入れたすべての金額を合算した金額です。
即ち、仕入れに掛かった費用を合計すれば仕入原価は算出することができます。
飲食店の料理人などは、仕入原価を考えているかもしれません。
 
製造原価とは、製造にかかった原価をいいます。(主に製造業で使用される原価です。)
完成した製品に対する原価ですので、以下の算式で当期の製造原価を求めることができます。
 

当期の製造原価=期首仕掛品+当期製造費用―期末仕掛品
 
この「製造原価」には主に材料費、労務費、経費(原価分)が含まれています。
材料費・・・商品の製造にかかる材料や消耗品など
労務費・・・商品の製造をしている従業員の給与、賞与・福利厚生費など
経 費・・・上記以外に商品の製造にかかる費用

 
売上原価とは、売れた商品の仕入れや製造にかかった費用で、以下の算式で当期の売上原価を求めることができます。
 

当期の売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高―期末商品棚卸高

 
売上原価については、業種により原価の範囲が変わってもきます。こちらについては、次回以降で詳細を記載したいと思います。
 

≪原価の違い≫
仕入原価売上原価の違い:商品が売れたのか、売れていないのかに着目すると理解しやすい。製造原価売上原価の違い:売上原価は、売れた商品の仕入れや製造にかかる費用なので、大きくみると製造原価は売上原価の一部となる。

 
このように、原価と一括りにいっても意味合いが違ってくるので、「今は何の原価について聞かれているのか」を正しく理解する必要があります。



  
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