監査業務第一課の清岡です。

雇用されている立場(従業員)である私がこの内容を書くのは、自らの状況を知ることであり、首を絞められる感じもしますが、ブログを書き進めたいと思います。

タイトルにもあげた「その人件費は適正でしょうか」は経営者の永遠の課題でもあるかも知れません。

経営者は人件費について、可愛い従業員のために少しでも多くの給与を渡してあげたいが、闇雲に給与を上げては経営は成り立たないと歯がゆい思いをされていると思います。

そこで、人件費が適正であるか否かを合理的に判断するにあたり労働分配率を用いる方法があります。

 

算式 労働分配率=人件費÷付加価値額×100

 

これは、企業によって生み出された付加価値額に対する従業員への分配額である人件費の割合のことです。つまり、付加価値額のうちに占める人件費の割合を表しています。
参考ではありますが、労働分配率の目安は50%~60%であり、業界によりバラつきがあります。

それぞれの金額は、以下の金額と考えてもらって結構です。

 

付加価値額=売上総利益(売上×利益率)
人 件 費= 給 与 + 法定福利費 

 

例えば、売上5,000万円、利益率40%、人件費1,000万円の場合の労働分配率を計算してみましょう。


1,000万円÷2,000万円(5,000万円×40%)=50%

となります。

この率を業界の平均もしくは自社の過去と比較する事で、人件費が適正であるのかを判断することができます。また、新しく従業員を雇用するためには、どれだけの売上を上げなくてはならないのかの判断も可能となります。

例えば、人件費が400万円の従業員を雇用する際に 労働分配率50%、利益率40%の場合

 

400万円÷50%÷40%=2,000万円

となります。

この場合に、この従業員を雇用することで売上が2,000万円以上伸びれば、この雇用は成功と言えます。
もしくは、今後2,000万円の売上が見込まれるのであれば、新たに400万円の人件費を増加しても適正であると判断ができます。

 

このように現時点での判断とともに、将来の見込みも含めて総合的に判断する事も可能となります。
経営者としては、従業員の給与(人件費)について合理的に判断しなければなりません。
その判断材料の一つとしてこの算式を利用しては如何でしょうか。

  
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