関西方面の挨拶に”儲かってまっか?”、”ぼちぼちでんな~”って言うのが日常よく会話で出てきます。最近は”ぼちぼちでんな~”から”あきまへんなぁ~・・・”に会話も代わってきております。その”儲かってまっか?”という意味は何を聞いているのでしょか?つまり、儲けっていうのは会計上出て来る”利益”とは違うのでしょうか。

『儲け』とは何ですか?と経営者の方に訊ねると、損益計算書に出て来る売上ー費用の『利益』の事と答えられる方が多いですが、少し違うんですね。『儲け』の考え方から言うと『利益』は『儲け』を構成する一要素で、計算式にすると

『儲け』 = 回収 - 投資

ということになります。とても簡単で、大阪弁で言うと”銭こ何ぼ使うて、どんだけ銭回収したかやな”となります。つまり今度は英語で言うと”Cash Flow Management”(キャッシュフロー経営)ですね。

ある会社の決算書を3期見たときの事です。非常に順調に売上が拡大してきており、3期目の売上は前期と比較して140%で利益も前年比50%アップと順調に拡大しております。しかし社長の顔は悲壮感でいっぱい。ある意味会社の目標は”最大利益の獲得”とよく計画策定時に掲げます。この会社はそれを達成しているのですが、期を重ねる毎に経営は苦しくなり、借入金も年々増加の一途です。このまま続けるとまっ黒字倒産の危機。

何が問題なんでしょうか?そうなんです!売上の回収サイトが60日で仕入の支払サイトが30日、もちろん人件費の支払いが60日ってことは在りえず、売上拡大と共に人も増加⇒人件費も増大となり、売上が少ない時期はまだ資金をぐりぐりしながら、何とかまわっていたのですが、それを解消しようともっと利益を追求するがために売上の増加戦略に走ったのです。つまり『利益』を求めて『儲け』を重視していなかった所に大きな落とし穴があったんですね。銀行も順調に売上が増加している分貸し込んできます。しかし新たに返済が始まり、また資金を圧迫。

『勘定あって銭足らず』現象です。

現金を回収しての経営です.もう一つの格言に”投下資本の早期回収”というのがあります。投下した現金をいかに早く回収し次の投資へ回すか。その速さが求められます。つまり『利益』も非常に重要な要素なんですが、もっと意識しないといけないのは『儲け』です。企業を存続また成長をさせるには、やはりこの”儲かってまっか?”という視点をより重要視しながら、経営計画策定時には「損益計画」だけではなく「貸借対照表計画」ならびに「資金繰り計画」を綿密に立案し、”投下資本の早期回収”するには、どんな戦略が必要なのかも併せて検討し、経営活動に取り組んでください。

『儲け』を意識する3つの分析

1 売上債権回転日数
2 仕入債務回転日数
3 在庫回転日数

やこやこ

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