みなさま、こんにちは。
社員税理士の光島です。
新型コロナウィルスによる影響は、いろいろなところに波及しています。

令和3年11月に発表された「令和2事務年度法人税等の調査事績の概要」によると、法人税等の調査事績の概要では
 

・新型コロナウイルスの影響により、調査件数は減少するも、調査1件当たりの追徴税額は増加
・悪質な納税者には厳正な調査を実施する一方で、その他の納税者には簡易な接触も実施

となっています。
 
これまでのような数日にわたる対面による実地調査がむつかしくなり、実施件数は前年比で32.7%と大きく減少しました。それに代わって「申告内容に誤り等が想定される納税者等に対して、簡易な接触により、自発的な申告内容等の見直し要請を6万8千件実施しました。」とあるように、調査項目を絞って簡易的に行う調査は、前年比で156.5%と増えています。
 
このコラム執筆時点(令和4年7月19日)では、一時収束していた感染者数が増加に転じており、弊所の税務調査の対応数からしても、令和3事務年度も同じような数字になるのではないかと思います。
 
一般的な税務調査の場合は、調査予定の1か月前くらいに日程の調整の連絡が入るので、1か月後の状況しだいでは、対面での現地調査がむつかしくなることも予定されます。
 
しかし、このまま、税務調査の数が減り続けることは考えにくく、コロナ前と呼ばれる頃に戻るには何年もかかるでしょうが、今後、実地調査の件数が増加していくことは間違いないでしょう。
このような状況に対して、税務署側でもできるだけ短時間で調査を終了さるための工夫をしているようで、必要な書類の一覧を前もって書面で発行している署もあるようです。
 
書かれている内容は、一般的なものが多いですが、参考になればと思います(取得したもそのものではなく、大幅に加工しています)。

□ 会社案内等(Webページの印刷でもOKです)
□ 取扱商品一覧(Webページの印刷でもOKです)
□ 役員・従業員名簿
□ 源泉徴収簿・源泉徴収票
□ 扶養控除等申告書
□ 給与(賞与)規定(未払賞与計上時などは特に必要です)
□ 給与振込口座一覧
□ 得意先・買掛先 名簿一覧
□ 振込口座一覧
□ 稟議書
□ 不動産や基本取引の契約書
□ 決算書控(直近3年分)
□ 期末棚卸明細書(直近3年分)
□ 総勘定元帳(直近3年分 仕訳データをCSV等のデータの書き出しで求められることもあります)
□ 受注簿
□ 工事請負契約書等
□ 工事原価台帳
□ 得意先・買掛先 注文書・納品書・請求書・領収書
□ 経費関係の領収書
□ 会社の組織図
□ 配席図
□ 商流図(どのような流れで売上が発生し、そのような流れで原価や経費が計上されているのかを概念的に図形化したのも)
□ 得意先・買掛先 締め日一覧

 
特に決まったフォーマットがあるわけではないので、現在使っている様式をそのまま提示していただければ結構です。その他、資料関係でパソコンのデータとして作成しているものに関しては、関連するフォルダーごとファイルのコピーを要求されることもありますのでご注意ください。
 
上記は、日ごろの業務の中で作成されるものがほとんどですので、あらためて作成しなければならないものは少ないです。調査対応のポイントの一つに、「要求された資料がいかに迅速に提示できるか」があります。

 
調査官の疑問点を、迅速に把握して解消することで、調査の必要性があまりない企業であることを示すことが税務調査対策の第一歩です。日ごろの資料作成や整理整頓が大事ですね。では!

  
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