みなさんこんにちは、税理士の光島です。
今年(令和5年)は、桜の開花や満開がかなり早かったようですね。自然のことなので、人間の都合に合わせて咲いたり散ったりはしてくれないのは十分承知しているのですが、やはり、卒業式や入学式には桜が似合うなと思う今日この頃です。
 
さて、これまでは令和5年(2023年)3月31日にまでにインボイスの申請をしなければ、10月1日より運用できないことになっていたのですが、申請期限が段階的に緩和され、実質的には8月中くらいにに申請すればよいことになりました。
申請期限が緩和されたからといって、申請するかどうか?の判断は、どこかでしなければなりません
 
<判断のポイント>
免税事業者からインボイス発行事業者になるかどうかを判断しなければなりません。
免税事業者でない場合は、ほぼ無条件でインボイスの申請をしてください)
 

[インボイス申請なし] → これまでの売上から、△10%を受け入れる*
[インボイス申請あり] → これまでの売上は維持されるが、消費税相当額の20%(経過措置ではあります、3年経過すると消費税相当額の50%相当額にUPします)を消費税として納税する

*課税事業者は、免税事業者からの仕入れについて原則仕入税額控除ができないので、仕入税額控除に相当する金額の価格交渉になる可能性があります。
 

 たとえば 
年間売上 880万円 → 免税事業者であるが、消費税相当額は請求していた場合

 

[インボイス申請なし] → これまでの売上から、△10%を受け入れる可能性があるので、実質手取り額は、800万円に減額されます。(得意先との交渉次第ですが・・・)
[インボイス申請あり] → これまでの売上は維持されるので880万円、ただし消費税相当額の20%(経過措置ではあります、3年経過すると消費税相当額の50%相当額にUPします)を消費税として納税するのでそのうち16万円(=80万円×20%)は手取りが減ります。実質手取り額は、864万円となります。



すべてがこの例題のようになる訳ではないと思いますが、実質手取り額を考えると[インボイス申請あり]のほうが有利になりますよね、やっぱり[インボイス申請あり]でいきましょうか、となることが多いです。
業界によっても反応は様々ですが、建設業や運送業などは[インボイス申請あり]を選択される方が多いような感じです。
 
さて、インボイス申請した個人事業主の方は、2024年3月が最初の申告になります。
消費税の計算方式は、原則課税(実額計算)と簡易課税の2方式あり、免税事業者からインボイス発行事業者になる場合は、さらに、消費税相当額の20%(3年経過すると消費税相当額の50%相当額にUPします)を納税額とする制度も使えます。
 
このうち、簡易課税は業種ごとに仕入税額控除率が決められていているので、20%納税よりも有利な場合があります。(卸売業を主に営んでいる場合が該当します)
20%納税は申告時点で選択できる(3/28執筆時点では予定)ので、あまり問題にはなりませんが、簡易課税を利用する場合は、インボイス発行事業者になった最初の課税期間の終了(個人事業主の場合は12月31日まで、法人の場合は期末まで)までに届出書を提出しなければなりませんので、申告時に簡易課税制度を採用しようとしてもできません。
 
また、まとまった金額の資産の購入をする場合は、簡易課税制度より原則課税(実額計算)のほうが有利な場合もあり、一概に簡易課税を選択しておけばと言うわけにもいかず・・・。
ケースバイケースとなりますので、しっかりとしたシミュレーションが納税額に影響してきます。
 
今回のお話については、財務省のWebページににも分かり易く掲載されているので、こちらも参考にしてください。https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/invoice/index.html
 
インボイス申請に係る費用の補助も紹介されています。
しっかりと、関与税理士事務所に相談してくださいね。(ちなみに、税理士等の専門家への相談費用の補助もあるようです。)

では!

  
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