監査業務担当の清岡です。
そもそも運転資金とは、何のことでしょうか。運転資金とは、会社が事業をおこなうために必要な資金をいいます。
以下の算式に当てはめます。
運転資金=売掛債権+在庫-買掛債務
運転資金の目安としては、3~6ヵ月分は確保して欲しいところです。

売掛債権

物は売ったけど、まだ代金を回収していない代金が売掛債権となります。売掛金や受取手形などが該当します。通常1~3ヵ月で現金化されます。

買掛債務

物は買ったけど、まだ代金を支払っていない代金が買掛債務となります。買掛金や支払手形が該当します。通常1~3ヵ月で支払いとなり、現預金が減少します。
 
では、例題です。

売掛債権 20憶円、在庫 30憶円、買掛債務 10億円
この場合の運転資金は幾らでしょうか?

20+30-10=40(億円)となります。

運転資金の目安は、3~6ヵ月分とすると、40×3~6ヵ月=120~240(億円)が必要となります。その資金はどの様な方法で確保するのでしょうか?自己資金、借入金・・・
 
次に、同じ規模の会社が2社あります。この場合は、どちらが資金繰りに苦労をするでしょうか?


 

同じように見えますが、A社に関しては、運転資金の全てを短期借入金でまかなっています。これでは、資金繰りが大変です。必要な運転資金40(億円)を短期借入金40(億円)でまかなっているので、手形の期日などに売上代金の回収が間に合わないことも考えられて、常に資金繰りを心配することとなります。

 
反対に、B社は資金繰りが楽となります。B社は売掛債権がありません。売上は販売時にすぐに現金で受取っていますので、B社の運転資金は、

0+30-10=20(億円)

となります。運転資金の20(憶円)は、A社と同じように、短期借入金20(億円)でまかなっていますが、現預金で20(億円)を保有しているために、資金繰りが楽となります。(*短期借入金=会計上で1年以内に返済期日が到来する借入金)
 
小売業などの現金商売は、資金繰りが楽になりますし、反対に、製造業は、製造⇒売上⇒売掛債権の回収までの期間が掛かるために、資金繰りが大変となります。どの会社も自社に必要な運転資金を知り、その資金調達の方法を検討することが必要となります。

  
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