監査担当の内藤です。暑さも少し和らいでくる9月となりました。湿気も早く収まってほしいと願う日々です。さて、本日は相続税の調査時に指摘されることが多い名義預金について記載していこうと思います。

まず、名義預金とは、被相続人(亡くなった人)の名義ではない預金なのに、被相続人の相続財産として相続税の対象となってしまう預金のことを言います。
 
例えば、次のような預金などが対象になる場合があります。

①配偶者が専業主婦(主夫)である場合の配偶者名義の預金

②子・孫が知らない間に、父(母)が子・孫の名義で預金をしてくれていた

 
①についてですが、
夫は仕事をしてお金を稼ぎ、妻は家事・子育てに専念しており、夫は稼いだお金を妻に生活費として渡し、妻がやりくりをする。
妻がやりくりをした結果、生活費として夫からもらったお金が余り、妻名義の預金に貯金(要するに、妻のへそくり)していった場合、夫の相続が発生し、税務調査が行われた時に、税務署に「妻名義の預金は元々、夫が稼いだものだから夫の相続財産に足してください。」と言われてしまう可能性があります。
 
妻が家事・子育てをしてくれているおかげで夫が仕事に専念できるのだから、夫の稼いだお金は夫婦共有の財産であるように思われますが、税務上では夫が稼いだお金は夫のもので、妻に預けていただけと考えられます。理不尽に感じることですが、税務上ではこのように考えられています。
 
あくまで私個人的にですが、妻の時給を仮に1,500円と仮定すると、
1,500円×8時間×365日(家事に休みは無いため)=438万円
となります。最低限これぐらいは妻の働きを認め、夫の稼ぎはすべて夫のものではなく、妻との共有財産としてくれても良いのでは?と思っております。
 
②についてですが
父は子・孫の預金に預け入れる度に贈与したつもりでも、税務署は贈与を認めてくれません。なぜなら、あくまで贈与した側があげるという意思を示し、もらう側がそれを受け入れることにより贈与が成立するため(民法549条)、父が子・孫に黙って貯金をしていたら、子・孫はそのことを知らないためもらったという意思表示ができないため贈与が成立しません。
 
父は、「預金の存在を教えると無駄遣いしてしまうかもしれない」などと考え、良かれと思ってしているかもしれませんが、贈与が成立していないため、すべて父の財産と考えられてしまいます。
 
上記のような例のように、名義預金が相続税の調査時に問題となることが多いため、思わぬ税金を払うことにならないよう、贈与契約書などを作成し、事前に対応することが大切です。
対応策などは弊社または弊社担当者にお聞きください。

  
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