こんにちは、税理士の嶋崎です。10月になりようやく秋らしい気候になりずいぶん過ごしやすくなりました。今月から最低賃金の大幅な引き上げが行われる事になり、それに伴い会社として注意すべき点も多いとの事です。

そこで今回は、秋元先生に事業主が気を付けるべきことをお聞きしたいと思います。それでは秋元先生よろしくお願いします。
 

よろしくお願いします。

先生、最低賃金の大幅な引き上げが行われる事が確定したとの事ですが、詳しく教えて下さい。

はい。本年の改定では、全国平均の最低時間額は1,121円で、前年から66円の引き上げとなりました。今回の引き上げ額は、昭和34年の制度開始以来最大の引き上げ額となりました。また、本年の改定により、初めて全都道府県で1,000円を超えました。

前年も大幅に上昇したと記憶しています。

はい。前年も大幅な引き上げが行われました。全国平均1,055円で51円の引き上げでした。前年も過去最高の引き上げ額です。

会社としては価格転嫁等により、賃金支払能力を確保しないと事業の継続が難しくなると思います。今後もこの流れが続く前提で、会社は今以上に努力をする必要があるかと思います。

私もそう思います。政府は、2020年代に全国平均1,500円にする目標を掲げています。今後も大幅な上昇が予想されます。最低賃金の上昇だけでなく、現状は人手不足で会社としては人材確保に努める必要がありますので大変かと思います。

よくわかりました。近年の物価高により生計費も上昇していますので、賃金の引き上げは当然必要だと思います。ただ、急激な賃金の賃上げは会社にも相当の負担となります。先生、会社として注意すべき点があるとの事ですが、詳しく教えて下さい。

はい。最低賃金を下回っていないかのチェック、給与計算システムを使用しているのであれば、新しい最低賃金が適用される日(発効日)に合わせて確実に対応できるようにする必要があります。本年度は、各都道府県により改定日が大きく異なる為、注意が必要です。

先生、最低賃金の改定は10月からですね。

原則は10月1日です。最低賃金の発効日(改訂日)は、各都道府県に設置されている最低賃金審議会で審議され発効日が決定できるとされています。発効日は、例年ほとんどの都道府県で10月1日とされてきました。昨年、近畿地方は全て10月1日が発効日で、一番遅かったのが岩手の10月27日でした。

例年は遅くとも10月中には改訂されているという事ですが、本年は違うのですか。

本年の近畿地方(2府5県)の発効日は次の通りです。

① 京都  11月21日
② 大阪  10月16日
③ 滋賀  10月5日
④ 兵庫  10月4日
⑤ 奈良  11月16日
⑥ 和歌山 11月1日
⑦ 三重  11月21日

一番早いのが10月4日の兵庫で、11月の方が多いですね。

そうです。全国では、栃木のみが10月1日です。一番遅いのが、秋田で令和8年3月31日(前年は10月1日)となります。

都道府県で大幅に異なりますが、どうしてですか。

今回は特に地方で上昇幅が大きくなりました。急激な人件費負担等を考慮してこのような結果になったのではないかと思われます。各都道府県で大幅に異なりますので、支店等がある会社は特に注意が必要かと思います。

私としましては、今後も今まで以上の大幅な賃上げを前提に事業が継続できるようお客様にはアドバイスをしていきたいと思います。先生、本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

《今日のまとめ》

① 最低賃金の引き上げ額が過去最高となり、全都道府県で1,000円を超えた。
② 今後も大幅な引き上げ(2020年代に全国平均1,500円にする政府目標がある)を前提とした経営戦略が会社には求められる。
③ 各都道府県で最低賃金の改定日が大幅に異なるので注意が必要となる。


  
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