有名なマーケティングの格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」というのがあります。この格言は元々レオ・マックギブナという人の言葉でありますが、その後ハーバードビジネスレビューの編集長を務めたセオドア・レビット教授の「マーケティング発想法」で紹介され、今だに語り続けられているものです。1/4インチのドリルを購入した人々が必要としているのは、直径1/4インチの穴という事です。

お客さんはホームセンター等にドリルが欲しくて買いに行きます。中にはドリルという道具のマニアで、穴は開けないでドリルを収集するという人もいるかも知れませんが、通常は穴を開けるために購入します。つまりドリルが欲しいと買いに来るお客さんの本当に欲しい物を突き詰めて考えていくと、ドリルではなく「穴」ということになるようです。1/4インチの穴を置けるためにすごい性能の1/2インチのドリルを買って、それを手に入れたときには最高の満足を得るのですが、いざそのドリルで穴を開けてみると、全く欲しい「穴」では無い???

顧客ニーズは「穴を開けたい」であって、もしそのドリルの販売店の店員さんがお客さんに説明するとしたら、どこのメーカーのドリルのどんなスペックがお好みですか?ではなく、どんな「穴」を開けるのか?相手の素材は(木材?コンクリート?・・)誰が使うのか?どれぐらいの数の穴を?と、さらに「何に使う穴?」これらの要点が正しく理解できて始めてそのドリルのスペックが見えてきます。つまり、「問題の解決」横文字で言うと「ソリューション」ということです。

 そういう視点でお客さんのニーズをよく聞き、本当に欲しいものを理解すると、その格言のドリルの例で言うと、”別にドリルではなくて違う××の方がいいかも知れません”という「ソリューション」が提案できるかもしれません。これはドリルメーカーとしての視点とは違い、小売店の消費者に対する視点、戦略ともいえます。ドリルを買うという事からその使用目的やお客さんの本当の問題を理解し、そのソリューションを提案できる企業が最終的にお客さんの期待に応えられる。それが、「ドリルの販売」という事につながります。

 この格言が語り続けられているのは、どうしても売上の増加を目的とし、競合他社との比較優位性を得るために、その製品の性能や価格という事に傾注しすぎ、非常に近視眼的な思考となってしまい、「ソリューション」とは程遠い商品又はサービスを強引に押し付けた販売戦略となってしまうということが多く見受けられます。こういうことで創られた売上は結局長続きせず、消費者側も問題解決とはならず、売る側、買う側どちらとも”負け負けゲーム”となってしまいます。

売上を増加させるという事の難しさ、又は継続的な売上増加戦略という事を考えると、やはり、今までとは違う視点から、お客さんが本当に欲しい物は?サービスは?を徹底的に分析し、当たり前ですが、お客さんの立場に立って自社の商品を考えてみる時間を作る事で、大きな収穫があるかもしれません。

因みに、私は小さな電動ドリル3台持ってます。1台ではソリューション出来なかったんでしょうね(T_T;

やこやこ

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