個人であれ法人であれ、その事業経営を行う上で非常に重要な要素が多くあるのですが、その事業による中心的な課題はやはり利益の最大化です。計算式で言うと非常に簡単です。つまり、利益=売上ー総費用で、この計算式を見る限りその利益を最大化させるためには売上を上げるか、総費用を下げるかしかありません。いかに売上を上げ総費用を下げるかという項目に多くの課題が存在します。

 しかし、それぞれの課題と言っても、まずはどのように売上を上げていくかということから始まります。その売上をどのように上げていくのか?という事を話しているときによく耳にするのは「値引きしないと売れません!」とか、「競合しているところが値引きして売っているので、当社もそれに追随していきましょう」といった基準の販売価格を大きく下回る価格にして販売するという手法?です。その事業の最終利益率が5%あったとしても、全ての売上に「消費税分を値引きしておきますね」という事で、一瞬にして年間の利益が吹っ飛んでしまいます。

 売上を確保するために値引きしないと売れないのでしょうか?また、これを販売手法と書きましたが、はたして販売手法と言えるのでしょうか?いくらで売るのか、つまり”値決め”ということですね。京セラ創業者の稲盛和夫氏の名言

「値決めは経営である。経営者が積極的であれば、積極的な価格になるし、慎重であれば、保守的な価格になる。値決めの目標は、お客様が喜んで買って下さる最高の価格を見出すことだ。値決め、それは経営者の能力と、経営哲学の反映だ。」

 つまり、”値決め”は経営そのものということなのです。一生懸命に畑を耕し種を植え、日々水をやったり肥やしを施したりした結果、その作物に実がなります。それを収穫する時は、実がなるまでと同様か又はそれ以上に丁寧に収穫し、それまでに費やしたコストと時間を回収するのですが、同じような見方で事業を見てみると、一生懸命に販売体制も整え、その販売する物、サービスも準備し、いざ販売するという段階でいきなり値引き。どのようにしたら値引きしないで販売できるのか?という事も考えずに、売れないから・・・、安易に安売りに走ってしまう、又は、それ以外に販売する手段が無い。

 安く販売するという戦略は、相当な資金力と綿密なコスト管理が出来ている企業が可能な戦略であって、そうでない事業体はその延長線上に”市場からの脱落”しかありません。安くすれば誰にでも売れる、しかしそれは経営ではありません。お客様が納得し、喜んで買ってくれる最も高い値段。それをどのように考え、どんな値段を付けるか?とても重要な課題です。そして、あらゆる工夫をこらし、お客様が買ってくれる最高値を見つけ出す。これは最高意思決定者である社長の重要な仕事の一つですね。

 昨今、この値決め(プライシング)も新しい戦略が出てきております。次回はこの新しいプライシングを検討してみたいと思います。

 
                      やこやこ

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