「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」(はやきこと風のごとく、しずかなること林のごとく、しんりゃくすること火のごとく、うごかざること山のごとし)・・・ちゃらら~ん!

あるお方から、「NHKの大河ドラマの「風林火山」は観てないの?これは観ないと!」とレンタルDVDをいきなり4本渡され、早速1本目を観ました。DVD1本に4話入っており、4本で13話(1本目は3話)です。最後まで観ると50話という超大作です。戦国時代物は大好物で、本では読んだ事はあるのですが大河ドラマは観たことがなく、最後まで観るとどれぐらいかかるのか?と思いましたが、その1本目を観たときからもう止まりません。

内容は井上靖の『風林火山』のドラマ化で、時代は戦国時代の武田信玄(晴信)の軍師として知られる人物、山本勘助の生涯を描く作品です。時代背景としては織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった時代のひとつ前の時代で、それぞれの地域の殿様が自分の領地をいかに大きくしていくかという、侵略に次ぐ侵略。常に周りと戦を繰り返している時代の話です。そういう背景の中で周りに戦を仕掛け、いかに領地を拡大してくか?その為の策略は非常に重要で、その策略を練ったりするのが軍師の仕事。その軍師の戦略いかんで、繁栄したり衰退したり、はたまた滅亡にいたったりと非常に重要な役割です。

 主人公山本勘助は、浪人者であったが武田信玄に見込まれ、軍師まで出世し、そして勘助の戦略戦術で武田軍は大きく勢力を拡大していきます。その勘助の基本的な考え方は、孫子の兵法「兵は奇動なり」が非常に基本になっており、勘助はこの戦術を巧みに駆使しながら手柄をあげていきます。そしてもう一つは、「戦わずして勝は、戦の上策なり」というところに奇動を発揮します。普通の戦をするとどちらの軍にも大量に負傷者が出てしまい、結局戦力低下につながるため、戦わずして勝てる戦略戦術がこの勘助が大いに力を発揮したところです。

このドラマを観ながら一番感じるところは、戦国時代も現代も同じというところです。現代風にこの勘助の戦略を表すと、
「兵は奇動なり」 → イノベーション、ヴァリュー
「戦わずして勝」→ ブルー・オーシャン戦略

”イノベーション”は物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」といったことを創造する行為であり、もう一つは”ブルーオーシャン戦略”という戦略を進める新しい領域を創造せよという戦略です。

 ブルー・オーシャン(青い海)に対応するのはレッド・オーシャン(赤い海)で市場を表しています。レッド・オーシャンは今の産業すべての市場で、ブルー・オーシャンとは未知の市場の事です。つまり、レッド・オーシャンでライバル企業を打ち負かそうとするのではなく、自社のバリューを高め、競争のない未知の市場空間というブルー・オーシャンを切り開き、競争を無意味にしてしまうという戦略で、企業のヴァリュー(価値)とイノベーション(革新)が土台となります。「風林火山」という言葉を強引に現代風に置き換えると、イノベーション、ヴァリュー、ブルー・オーシャンという言葉になるのではないでしょうか。

やはり昔も今も、使える道具や技術は大きく違うものの、基本的な考え方は同じように思います。しかし、「兵は奇動なり」といっても、やはり正攻法がしっかりできるという事が大前提です。奇策が奇策となる正攻法の充実は正攻法以上に大切です。基本は完璧!その上でこそ「兵は奇動なり」です。そして、「戦わずして勝つ」。正に現在も言い方を変えると、”戦企業時代”。

今「風林火山」は第29話目です。最終回の川中島の合戦まで、一気に観ていきとう存じまする。ハハァー!m(_ _)m

やこやこ

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