風が吹けば桶屋が儲かる・・・。っていうのは、十返舎十九(じゅっぺんしゃいっく)の『東海道中膝栗毛』の話のひとつで、静岡県の蒲原の宿で、弥次喜多が泊まりあわせた六部(巡礼者の一種)から聞いた話であります。この六部が若い頃江戸に住んでいた時分に、夏から秋にかけて強風が吹きまくっていた。その状況を考えた挙句の商売は、箱屋(桶屋)であります。なぜ強風が吹きまくったら、箱屋が儲かるのか?それには長い戦略的な思考がありました。

 その思考の流れを一度おさらいしますと、

①夏から秋にかけて強風が吹きまくる
  ↓
②人は砂ぼこりにやられ
  ↓
③盲人が多数出る → 盲人の仕事で手っ取り早いのは三味線流し!
  ↓            ↓
④三味線屋が繁盛する → 三味線の胴は猫の皮
  ↓            ↓
⑤猫狩りが盛んになる ← 猫の皮が必要
  ↓
⑥猫の数が激減するに違いない!
  ↓
⑦鼠の天下 → 鼠はどんな箱でもかじる
  ↓
⑧どんな箱でも値上がりするに違いない!
  ↓
⑨あらゆる箱を買い込んだ

 というものでした。結局この目論見は外れて全く箱は売れず、この男は世の無常を悟り、巡礼になったという話であります。結局、風が吹いたけれども、桶屋(箱屋)は儲からなかったという結果になったのですが、考え方そのものが間違いではなく、その適用に問題があったのです。むしろ戦略がここまでの深読みで、その流れの適用がずばり当たれば、独占的箱屋になった可能性もあります。現代では、強風が吹きまくる→風力発電事業?(少し短絡的)

 つまり、この世の中、生態学的にも一つの現象が、色々なものに波及し影響し合って成り立っているという事です。ビジネスの勝ち負けはこの「風が吹けば・・・」のストーリーというか、仮説によってビジネスを組み立てていくわけですが、「風が吹けば・・・」から次々と派生し連想できる事からビジネスは生まれます。連想・・・?ともいうべき発想、現在行っているビジネスでも、特に販売戦略に関してはこの発想は非常に有効であると思います。

 現在世間で起こっている何かのキーワードから、「風が吹けば・・・」的な連想を一つ一つ組み立ててみて、今までにない戦略を考えてみてはどうでしょうか?新たな展開が見えてくるかもしれませんね。
 
 
             やこやこ

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