監査業務第二課の梅本です。

前回までのコラムで、損金に計上できるルールをお話してきました。今回は、その特例で有名なものを一つ紹介しましょう。
 
経営者の方にとっては、一度は耳にしたことがあるかもしれない
 

「家賃の1年分前払いをしたら、
        払った事業年度で全額損金になりますよ」

という謎の節税話です。

 

《 なぜ翌期の家賃が、今期の損金に? 》

本来、これは「前払費用」といって、翌期の家賃分は損金になりません。

※ 「前払費用」とは、契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち
  事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。
  「前払費用」は原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けた時に損金の
  額に算入すべきものです。

 

しかし、特例的に

法人が、その支払った日から「1年以内に提供を受ける役務に係るもの」を支払った場合において、継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払時点で損金の額に算入することが認められる。(法基通2-2-14)

というのがあります。

 

簡単に言いますと、1年以内の「短期前払費用」だったら、全額支払い時の損金にしてもいいですよ!と定められているのです。

 
ただし、いくつか条件があり、おおまかには下記の通りです。

①  継続して同様の処理をすること
②  売上と紐付き関係の費用でないこと
③  等質・等量のサービスであること
④  重要性の原則を大きく逸脱しないこと

 
これに関して、①と②は説明不要ですね。

③は、どのような内容の経費を1年分前払いすれば「短期前払費用」に該当するものか、しないのか。
 
具体的例を挙げておきます。
 

□ 該当するもの

・家賃
・保険料
・リース料
・倒産防止共済掛金
・工業所有権使用料

 

□ 該当しないもの

・税理士顧問料
・雑誌購読料
・広告料

 

④は、全ての要件を満たしていたとしても、会社の規模や取引に照らし、著しく課税の公平を損なうものに関しては、認められない恐れがあります。今回、細かい要件を一部割愛していますが、記載のように何でも1年分前払いしておけば損金になるわけではありません。
 
また、前払する必要のないものを先に払ってしまう事により、手許資金が枯渇してしまう可能性もあります。節税するといっても、これでは本末転倒です。
 
このようなケースでは、支払ってしまう前に是非弊社までご相談下さい。

  
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