みなさまこんにちは、社員税理士の光島です。

早いもので、光島がこのつぶやきを担当させていただいて、ちょうど

1年になりました。日々、トピックスがどこかに落ちていないかと、

アンテナはりまくる今日この頃です。

 

毎年、この時期になりますと税制改正のお話がちらほら・・・。

配偶者控除等が、おおむね決まったみたいですね(執筆は12/7です)。

 

最終的には、高所得者層のみ配偶者控除・配偶者特別控除全廃(改正案は段階的に縮減)という形に落ち

着いたようです。検討されていた事項につきましては、平成28年9月7日の「つぶやき」にて書きまし

たので、御興味のある方はぜひ。

 

では、中身を見てみましょう。

この配偶者控除や配偶者特別控除の適用は、次の手順で判定されます。

両方の基準をクリアした方が、晴れて配偶者控除及び配偶者特別控除が受けられる可能性があるという

ことになります。

 

計算方法は、次の通り。
 
1.控除を受ける本人の給与収入(注1)が、年間1,220万円未満かどうか?

本人の年収が一定額(お給料の場合は、1,120万円)までは、制限なく受けられますが、1,120
万円以降は、以下のような制限がかかります。

  

つまり、お給料の収入の場合、総支給(交通費除く)で、年間1,220万円以上であれば、配偶者控除及び配偶者特別控除は検討の余地なしとなると思われます。

 

2.配偶者の給与収入が、年間201万円未満かどうか?

配偶者の給与収入が年間で103万円という区切り線が、150万円に拡大されました。

 → これが配偶者控除といわれる部分です。

その金額以降(150万円以降201万円までのあいだ)、段階的に控除額が縮小していく部分は、現行制度とよく似ていますが、すこし適用幅が延びるようです。

 → この部分が配偶者特別控除となります。

 

100万円前後でやきもきしていた方にとっては朗報ですね。

月額で計算すると、12.5万円未満までは、配偶者控除の範囲内に入ることになります。

 

さらに、この150万円を超えても、201万円未満までは、配偶者特別控除で満額ではないけれども

急に控除がなくなるということはありません。 ただし、配偶者控除や配偶者特別控除が拡大したことは

歓迎すべきことですが、手放しで喜んでばかりもいられないようです。

 

1.本人の会社による家族手当は、配偶者の給与収入が年間で103万円で制限されている場合が

多いようです。(現在、制限を拡大するように各企業に要請されているようですが)

 

2.配偶者控除が適用されるからといっても、配偶者の給与収入が年間103万円を超えてくると、

配偶者の側で所得税等が課税されます。

 

3.一定の規模の会社に所属されている場合は、配偶者の給与収入が年間で106万円以上になる

と、配偶者の側で社会保険に加入しなければならなくなります。

 

4.上記2.では該当しなかった方でも、年間で130万円以上であれば配偶者の側で社会保険に

加入しなければならなくなります。

 

(注)3.及び4.この場合は、所得税では非課税とされる交通費も含めて判定されるので

さらに注意が必要です。

 

これまでは103万円までであれば、税金も社会保険も最小限の負担ですんでいたので、検討は簡単でし

たが、壁の存在ラインが微妙に拡大されることで、非常に複雑なシミュレーションが必要になってきまし

た。

 

「夫婦の一方が家計を中心的に支え、もう一方が補助的に支える」というモデルが、「夫婦ともに働き、

家計をお互いが支えあう」というモデルに時代とともに変化してきました。

その変化に対して、租税の側面からアプローチしたのが今回の改正だと思います。

 

しかし、国民の負担は、租税だけではありません、社会保険等も含めて一体で考えていかなければ、せっ

かくの改正もうまく機能しないように感じます。

 


個人的には、あまりにも細かいシミュレーションをして萎縮し

てしまうのであれば、どんどん社会に進出していってガンガン

稼いだほうが、最終的な手取りや将来のためのたくわえができ

るようになると思いますが、われわれは、いろいろな制限の中

で生きていかなければなりません。

 

ほんの少しの工夫で使えるお金が増えるのも事実です。

迷ったら、税のプロフェッショナルにご相談ください。

 

では、また!

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