監査業務担当の清岡です。

過去にいくつかの指標のブログを記載しました。

しかし、その指標は決算書の数値を使用することが前提でした。

月次(期中)の数値について正しい分析を判断するには、少し調整は必要です。

 

期中の試算表(月次)と期末の試算表(決算書)では、大きな違いがあるのです。

まずは、税金(未払法人税等、未払消費税等)の計上(精算)がされていません。

 

例えば(税抜き会計の場合)

期中では、流動資産に仮払消費税等(中間消費税等を含む)があり、流動負債には仮受消費税が計上されています。(図1)

共に、流動資産、流動負債の金額を増加させています。

 

これが決算時には、双方が相殺されて差額の未払消費税等が流動負債に計上されます。

 

それでは例題の数字を使い期中でも同じ処理をしてみます。(図1 ⇒ 図2)

 

 

 

 

 

仕訳処理

仮受消費税等  300,000  /仮払消費税等 200,000

/中間消費税等  60,000

/未払消費税等  40,000

 

これで、期中でも決算書と同じ状況になりました。

ご覧の通り、貸借対照表のバランスが変わりました。(総資産の金額が変更)

 

これだけでは、まだ不十分です。

同じく税金で言えば法人税等の計上がされていません。

こちらも同じく決算時と同じ仕訳処理を仮で計上してみましょう。(図2 ⇒ 図3)


税引前当期純利益に税率をかけて法人税等を計算(税率を30%で計算)

例題)100,000×30%=30,000(法人税等)

仕訳処理

(損益計算書)  (貸借対照表)

法人税等 30,000/未払法人税等 30,000

 

貸借対照表内での金額の変化は、未払法人税が計上されて、繰越利益剰余金が減少しています。※ 総資産は変わりません

 

貸借対照表の数値のバランスが変わっていくのが分かります。

 

参考までに自己資本比率の動きを見てみましょう。図1(44.4%)⇒図2(56.0%)⇒図3(53.0%)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしょうか。同じ試算表(期中の月次)ですが、調整前と後では大きく変わっています。

これは、流動比率などの指標も変わります。

 

毎月の試算表ではそこまで加味する必要はありませんが、四半期若しくは半期(中間)の時に数値の調整をされてみると、より詳しい分析が期中でも可能になります。

 

 

  
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