監査業務担当の清岡です。

会社の決算をするときは、会社全体の決算書を作成します。

 

しかし、会社の規模が大きくなった場合や自社で経営する業種が多岐にわたる場合には、会社全体の決算書(もしくは試算表)だけでは、見えてこない部分(経営指数)や正しい経営分析が出来なくなります。

 

例えば、小売業をしながら、飲食店も始めた場合

又は同じ小売業だが事業部(店舗)により取り扱う商品が全く違う場合などがあります。

 

前者の場合は、経営の方法が違いまた原価率(※)が違ってきます。

※ 原価率 = 原価 ÷ 売上 × 100

 

後者の場合には、薄利多売(※)の事業部もあれば厚利小売(※)の事業部もあるなどです。

※ 薄利多売 = 利益の少ない商品を大量販売すること

※ 厚利小売 = たくさんの数を売らずに価値の高い商品を販売すること

 

このような場合には、全体の決算書(試算表)では、最適な経営分析が不可となります。

 

そこで、解決方法として部門管理をおこなうことです。

 

部門管理とは、部門別の損益計算書を作成する。

部門の区分方法としては、業種単位、店舗単位、事業部単位などがあります。

 

このように区分することで、部門単位での経営指標の判定が可能となります。

各部門の強み、弱みを数値化することで、最適の経営分析が可能となり、同業他社との比較も可能となります。

また、弱みを知ることで業務改善も可能となります。

 

 

ただし、部門管理をするうえで問題となるのが本社経費(共通経費)です。役員報酬、総務経理の給与、本社の家賃等の経費です。

共通経費は、各部門には直接かかる経費ではありませんが、会社や事業を経営するうえでは、必ず必要な経費であり、間接的には負担すべき経費です。

 

そこでこの共通経費をどのように、各部門へ配分(案分)するのかが重要となります。

 

方法として

部門別の人数で案分する

部門別の売上規模で案分する

部門別の占有面積で案分する

などとありますが、自社に適した案分方法の検討が必要です。

また、特別高額な役員報酬についても影響額が多いのであれば、除外するなど一つの方法です。

 

 

配分方法が間違ってしまうと、折角の部門管理(部門別損益計算書)も意味をなさなくなります。

そこで予算組の段階でいくつかのパターンを作成して、自社に適した配分(案分)方法を慎重に検討することが必要です。

ぜひ、一度お試しください。

今まで見えていなかった部分が、見えてくるかもしれません。

 

 

  
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