監査業務担当の清岡です。
「仕入価格の上昇で利益が出た。」さて、本当にこんな事があるのでしょうか。まずは、一般的な場合をみてみましょう。
 
最近の仕入・原材料(小麦粉、ガソリン、アルミニウム等々)の高騰により、いろいろな業種で利益の圧迫が予測されます。飲食業、運送業、製造業と幅広くに影響を及ぼされています。
 
例えば、全ての原材料(仕入高)が200%増加した場合の影響を見てみましょう。(その他の金額は変更しないとすます。)
 


 

極端な例ではありますが、原材料(仕入)価格の上昇により利益が100から0になってしまいました。
これは分かり易いですね。
このように価格の上昇の影響を受ける会社は意外と多いかもしれません。売上価格や費用の見直し、販売商品の改善(サイズ、容量等)で対策が必要ですね。

 
それでは、『仕入価格の上昇で利益が出た。』を検証してみます。ポイントは棚卸資産です。
棚卸資産の金額の算出方法は、「数量×単価」で求めることが可能です。
 

例)数量 2個 単価 50円の場合
2×50=100
棚卸金額は、100円となります。

 
この場合の『単価』は、通常の会社では最終仕入原価法(※)で求められます。
※ 最終仕入原価法とは、棚卸資産を期末から最も近い時に取得した1単位当たりの取得価額をもって評価する方法です。
 
即ち、2個の在庫がそれぞれ別の『単価』で仕入れたとしても、最後に仕入れた単価が採用されます。
例えば、下記でで検証してみます。
 

過去に仕入れた単価が1個 50円
最後に仕入れた単価が1個 100円
期首在庫 2個(2個×50円=100円)
期末在庫 2個(2個×100円=200円)

 
そうすると・・・


 

原材料(仕入)価格の上昇により利益が150から200に増加しました。これで『仕入価格の上昇により利益が出た。』となるのです。

 
極端な例としていますが、アルミニウム等の材料を扱う事業者で、数年前からの在庫が残っている場合は、利益が思わぬ形で出てしまうこともあります。
 
業種によっては、棚卸資産の評価方法の変更を検討する必要も考えられます。評価方法についてのご質問、ご相談は、いつでもお気軽に担当者まで!

  
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