監査業務担当の清岡です。
買掛金に利子が付かないことに疑問を持ったことはありませんか?なぜ付かないのかを検証してみましょう。
 
貸借対照表の負債の部は、流動負債と固定負債の区分以外に有利子負債無利子負債に区分されることがあります。
 

流動負債 = 返済期限が1年以内の負債
固定負債 = 返済期限が1年を超える負債

有利子負債 = 利子を支払う債務(借入金、社債等)

※ 利子の支払いが必要な他人のお金の合計額

※ 流動負債、固定負債の両方にある

無利子負債 = 利子を支払わない債務(買掛金、未払金、預り金等)

※ 此方のほうが該当科目としては多い

 
では借入金には利子が付いて、買掛金にはなぜ付かないのでしょうか?
借入金と買掛金では、そもそもの目的が違います。
借入金の場合には、相手先は通常金融機関(銀行)です。金融機関(銀行)はお金を貸すことが目的であり、その利息が利益となります。
 
反対に買掛金の相手先(仕入先)は、利息を得ることを目的に取引をしていません。営業の継続的な取引を目的として利益を得ています。買掛金に利息を請求しなくても、利息以外の利益を獲得できるのです。
 
取引先(相手先)の立場になるとわかりやすいでしょう。取引の都度に請求、決済するよりも一括(一か月単位等)で請求する方が、ビジネスが円滑に行えます。これは、都度請求する相手よりも、後日に一括請求できる相手の方が取引しやすいということです。つまり取引先(相手先)は、取引の中で利益を得ており、ビジネスを継続的におこなえるという利益を得ることができるということです。

結論
取引先は買掛金(相手から見ると売掛金)に利息を請求しなくても、利息以外の利益を獲得できる。
利息ではなく営業取引で利益を得ているきから、そのため買掛金には利子を払わない。

 
※補足
会社の事業目的は定款に記載されています。会社は目的事項に記載されていない事業は営めないことになっています。(ただし、事業目的以外の業務を行っても会社法においての罰則等はなさそうです。)

  
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