監査業務担当の清岡です。
以前にも同じタイトルのブログを書いています。
今回も同じタイトルですが、別の見方から記載したいと思います。

早速ですが、例題から。

 

創業から3年のA社の業績です。


補足事項
①資本金 800
②開業時に機械設備を購入 取得費 300(償却期間 10年)(注1)
③すべて現金主義(売上も費用も現金で支払い)とする
④在庫なし

 

それでは、本題(タイトル)について検証してみましょう。
3年間の業績をみると、毎期(毎年)利益が出ているので、3年間で60儲かったとなります。
次に業績からお金の増減をみてみましょう。

費用の支出は幾らでしょうか?

500(売上合計)-60(利益)=440(費用)

しかし、費用440の中には減価償却費(お金の支払いが無い)90が含まれています。
※ 減価償却費 300(取得費)÷10(年)=30×3(年)=90

440(費用)―90(減価償却費)=350(お金の支出額))

上記を踏まえて、再度お金の増減を計算します。(注2)

500(増加分)―350(減少分)=150(3年間のお金の増加分)

この時点でもお金も増加していると思えます。
しかし、補足事項➁で300(減少しています。)

150(3年間の増加分)―300=△150(マイナスとなります。)

即ち、この3年間ではお金の動き(キャッシュフロー)は赤字となってしまします。

 

これが、タイトルの『利益が出たのにお金が増えてない』になるのです。
A社の現時点では、投資の回収が終わっていない事になります。

また投資(設備投資)をする際には、このような条件を予測して何年で投資分が回収出来るのかを判断が必要となります。

キャッシュフロー
(注1) 投資キャッシュフロー
(注2) 営業キャッシュフロー
上記の差額がフリーキャッシュフローとなります。

 

  
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