監査業務担当の内藤です。
前回の私のブログで令和6年度の税制改正大綱の改正案について触れましたが、本日も引き続き税制改正大綱の中で注目すべき改正案について記載していこうと思います。それは、「外国人旅行者向け免税制度の見直し」についてです。直接関係のある方は少ないと思いますが、日本にとって重要な事柄ですので注目していただければと思います。
 
ニュース等で中国人の富裕層が日本に旅行に来て爆買いをして帰るといったことを見たことがある方も多くいらっしゃると思います。百貨店や家電量販店で免税店の登録を受けているところで爆買いをしているわけですが、何が免税になっているかというと主に消費税です(関税・酒税などが免税される場合もあります)。
 
なぜ消費税が免税になるかですが、消費税は消費地課税主義といいまして、国内で消費するものに消費税を課税するという考え方をとっております。そのため、国内(日本)で消費されないものについては消費税が課されません。外国人が国内(日本)で消費(使用)するために買うと10%の消費税がかかりますが、自国(海外)に持って帰って消費するものには消費税がかからないんですね。
 
免税制度を利用するためには商品を消費(使用)しないで自国に持って帰るという点が重要ですので、簡単に開けられないよう免税販売の際に、国土交通大臣及び経済産業大臣が指定する方法により包装することが義務付けられています。
 
この制度を悪用して、購入時には免税制度を利用し消費税の免除を受け、海外には持ち出さず日本国内で転売するというような脱税事件が多発しております。(参考 読売新聞2023.10.16 https://www.yomiuri.co.jp/national/20231016-OYT1T50070/
 
ここで、このブログのタイトルの改正案が出されているわけです。

《外国人旅行者向け免税制度(輸出物品販売場制度)の抜本的な見直し》

外国人旅行者向け免税制度については、制度が不正に利用されている現状を踏まえ、免税販売の要件として、新たに政府の免税販売管理システムを通じて取得した税関確認情報(仮称)の保存を求めることとし、外国人旅行者の利便性の向上や免税店の事務負担の軽減に十分配慮しつつ、空港等での混雑防止の確保を前提として、令和7年度税制改正において、制度の詳細について結論を得る。
(注)上記の「税関確認情報(仮称)」とは、免税店で免税購入対象者が免税購入した物品を税関長が国外に持ち出すことを確認した旨の情報をいう。税制改正大綱P95

 
現行の免税販売では、販売時に消費税を免除して販売していますが、改正案では国内販売商品と同じように販売時に消費税を課して、外国人が出国する際に税関で還付するという手続きが考えられています。これにより購入時に免除されていたものが還付手続きが必要になり、脱税が難しくなります。
 
外国人が消費税10%分安く仕入れてそれを販売するわけですから、国内企業が国内で販売している価格より安く提供することも可能になるわけなので、これが横行すると免税販売店のみならず他の小売業にも影響が及びます。

令和7年度の税制改正で結論づけるとされていますが、一刻も早い制度の変更が待たれます。


  
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