監査業務担当の清岡です。
決算書の見栄えをよくするために、決算書に少し『お化粧をする』と聞いたことはありませんか?
 
『お化粧をする』とは?
赤字の決算を見栄えが悪いからと、少し数字を調整して黒字の決算にする時などに使われます。すなわち粉飾決算です。
これって、良いの?と聞かれると、悪いことです、との回答になります。
 
それぞれの会社の事情により、必要があるのでしょうが、一度それに手を染めてしまうと戻れなくなります。また一度出来てしまった歪な数字を戻すことも困難になってしまいます。
 
例えば、決算利益 △50万円(赤字)を黒字にしたい。(※ 法人税、消費税等は考えない)
 

(1)架空売上を計上して、売上の増加及び利益の増加をはかる

会計上では以下の仕訳となります。

売掛金 100万円 / 売上 100万円

これで、売上も利益も調整前より100万円増加します。

 

(2)棚卸(在庫)金額を増加させて、売上原価を少なくする(すなわち利益が増加)

会計上では以下の仕訳となります。

商品 100万円 / 期末棚卸 100万円

これも、売上原価の減少になり利益が増加します。

 
両者ともに決算利益 △50万円が黒字の50万円に早変わりです。
仕訳一つで簡単に操作ができました。
 
簡単にできて、良かった良かったでしょうか?いえ決してそうではありません。
では何が問題でしょうか。
 
【問題点】

(1)株主、債権者が正確な投資、出資又は融資等の判断ができなくなる。

(2)会社(経営者自身)も正確な経営分析が出来なくなる。(前年比較、原価率等)

(3)架空計上の売掛金が回収されずに、ずっと残り続ける。

(4)同じく架空の棚卸(在庫)金額がずっと残り続ける。

 
こういった多くの弊害(問題点)もおこってしまいます。ぜひ、お化粧(粉飾決算)をしなくてもいいように別の方法を検討しましょう。
 
例えば、今期が赤字決算だった場合、

(1)赤字の原因を、数字をもって説明する。

(2)原因(問題)の改善方法を説明(検討)する。

 
前向きな方法で、会社を健全な方向へ導いていただきたいものです。
最後に粉飾決算は犯罪行為です。会社法、民法等の法律により罰せられることもあります。
 
参考まで過去のブログも参照してください。
これって粉飾?! 見破る指標はこれだ!!

  
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